富士山より高い標高まで駆け上るレース、別名「雲に向かうレース」パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの1996年のレースの模様。森林限界点(3658m)をはるかに越えたその先は、ガードレールなぞ無い荒れた路面がゴールまで続き、一瞬の判断ミスあらば富士山より高い場所から滑落することとなる。高地ならではの希薄な空気の中、ダウンフォースを稼ぐためのスポイラーやウイングは、あたかも苛酷な環境下、生物があるべき方向に進化するが如く巨大化している。

96年のレースは昨年の雪のレースとはうって変わり、スタート地点の気温が30度以上、予想をはるかに超える過酷なスタートとなった。ゴールまで到達できたとしても多くのマシンが満身創痍。この過酷なコンディションと歴代チャンピオンのスズキスポーツ・モンスター田嶋(スズキ・エスクード) vs ロッドミレン(トヨタ・セリカ)の勝負が見ものだ。最後にヤンキースの松井秀喜のインタビューあり。関連記事:プジョー・クライムダンス